sound | convolution
ある空間の音響的特性は、インパルス応答(IR:impulse response)として記録することが可能です。これは通常、時間的に非常に短い破裂音(拍手や風船の割れる音で近似できる)を鳴らし残響をマイクロフォンで収録する方法をとります。こうして記録したIRを用いて、コンピュータなどで畳み込み(convolution)という操作(入力音とIRを時間的に「畳み込む」イメージ)を行うことで任意の音源(入力音)にIRの残響を付加することが可能となります。 本デモでは古楽器ヴィオラ・ダ・ガンバの録音を入力に用い、下の各IRに対応したボタンを押すことでリアルタイムで異なる響きを付加します。残響の少ない室内にはじまり、大聖堂の荘厳な響きや、廃墟の冷たいコンクリートの響きなどを擬似体験できます(ヘッドフォン推奨)。加えて、本来はIRでない通常の音(さざなみの音や鳥の群れのさえずりなど)をIRとして「誤用」することで、現実にはない不思議な「響き」も合成しています。
*1~*3は英国ヨーク大学のOpenAIRプロジェクトのオープンIRデータ(表示 4.0 国際 CC BY 4.0)を用いた。
*1 Stairway, University of York, Audiolab, University of York, Simon Shelley
*2 York Minster, Audiolab, University of York, Damian T. Murphy
*3 R1 Nuclear Reactor Hall, Audiolab, University of York, Damian T. Murphy